AIに下書きを頼むと、具体的で、いかにもありそうな数字が入ってくることがあります。読みやすく、話の流れにも合っているので、さらっと読むとそのまま通ってしまいますよね。
KK CONNECTでも、実際にありました。記事をもとにAIが作った動画の台本に、元の記事にも、実際に試したときの記録にもない数字が入っていたんです。
この記事では、そのとき何が起きて、なぜ公開の前に止められたのか。そして、そのあと「何と照らし合わせて、誰が止めるか」をどう決めたかを書きます。
台本に、どこにも書いていない数字が入っていた
KK CONNECTでは、公開した記事をもとに、解説動画を作っています。台本の下書きをAIが作り、音声と映像を作って1本にまとめる流れです。
2026年9月13日の回。AIが自動で作った台本に、いかにもありそうな時間短縮の数字などが入っていました。元の記事を読み返しても、実際に試したときの記録を見ても、どこにも書いていません。
しかもその回の記事は、「AIが出してきた数字を、そのまま使わないための手順」がテーマでした。
翌日の別の回でも、同じことが起きています。自動で作った台本に、記録にない時間短縮の数字が入っていました。
2回とも、見つけたのはAIによる確認です。台本の中身を元の記事と記録に照らし合わせたところ、どこにも書いていないことが分かりました。次の工程に進む前にそこで止め、記事と記録をもとに、別のAIの担当が台本を書き直しています。

気づけたのは、照らし合わせる「元」があったから
なぜAIがその数字を入れたのかは、記録からは分かりません。
記録から言えるのは、どうやって見つかったか、のほうです。
見つけられたのは、「この台本は、この記事とこの記録から作る」という元が決まっていたからだと考えています。台本にある数字や話が、元のどこに書いてあるかを探す。見つからなければ、使わない。基準がここまではっきりしていると、読みやすさに引っぱられずに判断できます。
そこで、9月13日に決まりを1つ足しました。記事をもとにした回は、AIが作った台本を記事と記録に照らし合わせてから、音声に進む。
その後の、記事をもとにした回では、自動で作った台本は使わず、記事と記録から台本を書いています。直近の回では、動画の冒頭で「使う前→使った後」の数字を見せる欄も、記事にも記録にも数字がないため、数字を入れず、表示していません。
照らし合わせても、ずれは別の場所に出た
9月17日に作った回では、台本を記事と記録から書いたあとも、公開の前に3つのずれが見つかりました。
1つ目は、台本の言い方です。品質チェックを担当するAIが、次のような箇所を指摘しました。調査の結果を、調査が直接聞いていないことまで言ったように聞こえる箇所。実演が1回ずつの結果だと、動画の中で言っていなかった箇所。画面に出す文字と、読み上げる文がずれている箇所。特に前の2つは、数字そのものは合っていても、言い方ひとつで伝わる意味は変わります。台本を直してから、音声に進みました。
2つ目は、字幕です。音声を文字に起こす工程で同じ一文が2回拾われ、字幕が最大で約9秒遅れている箇所がありました。動画づくりを担当するAIが確認の中で見つけ、字幕の文字は変えずに、表示する時刻だけを音声に合わせて直しました。
3つ目は、音声の読み方です。台本には「64.9%」と正しく書いてあるのに、音声では別の数字に聞こえました。「〇〇様邸」という伏せ字も、崩れた読み方になっていました。見つけたのは代表の今中で、できあがった音声を耳で聞いての確認でした。
文字の上では正しいので、台本を読み返すだけでは見つけにくいずれです。直すときは、台本の文字は変えずに、音声を作るときの読み方だけをひらがなに置き換えて作り直しました。画面に出る字幕の表記は、そのままです。作り直した音声も、もう一度耳で聞いて確かめています。

何と照らし合わせて、誰が止めるか
ここまでのずれを並べると、見つかった確認も、見つけた人も、ずれの種類ごとに違っていました。
| 確かめたこと | どの確認で見つかったか | 見つけたのは |
|---|---|---|
| 台本の数字や話 | 元の記事と記録に照らし合わせる確認 | AI |
| 台本の言い方(調査の伝え方・「1回ずつ」の断り・画面の文字とのずれ) | 公開前の品質チェック | 品質チェックを担当するAI |
| 字幕の時刻 | 字幕と音声を合わせる確認 | 動画づくりを担当するAI |
| 音声の読み方 | できあがった音声を耳で聞く確認 | 代表の今中 |
文字や時刻の確認は、AIが止めました。一方で、音声の読み方の誤りを最初に見つけたのは、耳で聞いた人でした。そして、どの確認を通ったものも、外に出すかどうかは、代表の今中が中身を確認して承認してから決めています。
会社でAIの出力を外に出すときも、考える順番は同じだと思います。
- その出力の「元」は何か。元にない数字や話は出さない、と先に決めておく
- 何を、どの確認で見るか。数字、言い方、見た目、音など、ずれの種類ごとに分けて考える
- 誰が止めるか。AIに任せる確認と、人が見る・聞く確認を分けておく
KK CONNECTが、どの仕事をAI社員に任せ、どこで人が決めているかは、AI社員のページにまとめています。
まとめ
- AIの出力には、読みやすくて自然な、元にない数字が入ることがあります
- 止められるかどうかは、照らし合わせる「元」を決めてあるかで変わります
- ずれは数字だけでなく、言い方・字幕・音にも出ます。種類ごとに確かめる人を決めておくと、止めやすくなります
どの業務の、どの出力を、何と照らし合わせて、誰が確かめるか。御社の業務で「どこで人が確かめるか」を決めるところから、お手伝いできます。



