ブログ一覧に戻る
KK CONNECTの今

ChatGPTに個人情報はどこまで入れていいか ── 名前と金額を混ぜて試した話

お客様から届いたメールを、そのままAIに貼って「返信案を作って」と頼む。早いですし、うまくいきます。ただ、貼ったあとで「今の、名前も金額も入ったままだったな」と気づくことがありますよね。

AIに仕事を頼むとき、どこまでなら入れていいのか。調べても、はっきりした線が出てきません。

KK CONNECTでは2026年9月25日に、お客様へ配っている指示文に、架空の会社名・担当者名・電話番号・メールアドレス・金額を1件ずつわざと混ぜて、1回通してみました。この記事では、そのとき何が起きたかと、そこから会社として何を決めておくとよさそうかを書きます。

先にお伝えしておきます。この記事は、個人情報の取り扱いについて法律上の判断をお示しするものではありません。社内で何をどう決めるか、という話として読んでいただければと思います。

この記事の内容
  1. 迷うのは「どこまで」、焦るのは「入れてしまった」
  2. もう貼ってしまったときに、まず見る場所
  3. わざと5つ混ぜて、1回通した
  4. 5つとも外れ、外したものの中身も書かれなかった
  5. これは「AIが守ってくれた」話ではありません
  6. 会社として決めておくと、迷いが減る2つ
  7. まとめ
  8. 御社の場合、どこから始めるか

迷うのは「どこまで」、焦るのは「入れてしまった」

AIと個人情報の話は、たいてい2つのどちらかから始まります。

ひとつは、これから使う人の「どこまで入れていいのか」。もうひとつは、すでに使っている人の「入れてしまったかもしれない」。後者のほうが、ずっと多いと思います。便利だから使った、使ったら中に名前が入っていた、という順番が自然だからです。

先に書いておきたいのは、貼ってしまったこと自体を責める話ではない、ということです。手が早い人ほど、貼るのも早いです。

そのうえで、線を引くときの手がかりを1つだけ挙げるなら、**「その1件を名指しできてしまうかどうか」**です。氏名、電話番号、メールアドレス、取引先の会社名。どれも1件を名指しできます。実際の金額も、相手と組み合わせれば、その取引を名指しできます。

一方で、業種、規模、立場は、名指しにはなりません。返信案を書いてもらうのに要るのは、こちら側の手がかりのほうです。

今回わざと混ぜたのも、前者の5種類です。何を混ぜて、何が起きたかを、ここから書きます。

もう貼ってしまったときに、まず見る場所

すでに貼ってしまった場合、気になるのは「それが残っているかどうか」だと思います。

ここは推測で書けないので、確かめた範囲だけをお伝えします。2026年9月25日に、有料プラン(Plus)のChatGPTの画面で見た並びです。プランや時期によって違うことがあります。

設定の「パーソナライズ」を開くと、「ChatGPT のメモリ」という項目があります。オンとオフの切り替えがあり、「メモリの概要」の中の「管理」から、保存されている中身を見たり、消したりできます。まずはここを開いて、心当たりのある情報が入っていないかを見る。これが最初の一手になります。

同じ画面には「カスタム指示」という欄も並んでいます。こちらは、自分で書いて置いておく場所です。つまり、見に行く場所は2か所あります。やりとりから自動で溜まっていくのがメモリ、自分で書いたまま残っているのがカスタム指示。心当たりがあるなら、両方を開いて中身を見てください。

なお、消したから無かったことになる、とは書けません。そこまでは確かめていません。会社として次に何をするかは、使っているのが会社で契約・管理しているアカウントなのか、個人のアカウントなのかで変わります。この分け方については、社員の個人アカウントでAIを使う前に、会社で決めておく線に書きました。

わざと5つ混ぜて、1回通した

ここからが、今回試したことです。

KK CONNECTでは、「会社の前提をAIに毎回読ませる形に整える」ための指示文を作り、お客様にお渡ししています。会社の前提を7つ埋めて貼ると、AIの設定欄にそのまま貼れる文章を作ってもらえる、という作りのものです。

その指示文の中に、架空の会社名・担当者名・電話番号・メールアドレス・金額を1件ずつ、わざと混ぜました。「よく作る書類の形」を書く欄に、取引先の名前と連絡先と金額が並んだ一文を、そのまま置いた形です。

5つの中身そのものは、この記事にも書きません。すべて架空の値ですが、中身を書き写した時点で、この記事が今から書こうとしていることと逆になるからです。

条件も書いておきます。

  • 試した日:2026年9月25日
  • 使ったAI:OpenAIのAI。ChatGPTの画面ではない入り口から呼び出しました
  • 送り方:1回だけ。やり直しも、追加の指示も出していません

2つ目について、はっきり書いておきます。ChatGPTの画面で試した記録ではありません。 同じ指示文をChatGPTの画面に貼ったときに同じ動きになるかは、確かめていません。

5つとも外れ、外したものの中身も書かれなかった

返ってきたものを見ます。

設定欄に貼る用の文章には、5つとも入っていませんでした。書類の形を説明する行は「会社名、担当者名、連絡先、金額は仮の情報または種類だけで示してください」という一文になっていて、混ぜた値は1つも残っていません。

そして、もう1つありました。外したものの一覧にも、中身そのものが書かれていなかったことです。返ってきたのは、次のような書き方でした。

「5番に、お客様の会社名と担当者名がありました。」 「5番に、電話番号とメールアドレスがありました。」 「5番に、実際のものと受け取れる金額がありました。」

どの欄に、何の種類のものがあったか。そこまでしか書かれていません。混ぜた5つが3件にまとめて報告された形で、件数までは合っていませんが、種類は5つとも拾われていました。

ここが、今回いちばん見たかったところです。「危ないものを外しました」と報告するときに、外したものを並べて見せてしまうと、結局そこにもう一度残ります。手元に残る作業メモや、チームに共有する文面に、名前と番号がそのまま写る。それでは外した意味が薄くなります。

これは「AIが守ってくれた」話ではありません

大事なところなので、はっきり書きます。

この動きは、AIが気を利かせてくれたものではありません。指示文の中に、そう書いてあります。 要約すると、実名・連絡先・金額が混ざっていたら貼る用の文章には入れないこと、外したものは一覧に並べること、そのとき中身そのものは一覧にも書き写さないこと。この3つです。今回の結果は、頼んだとおりに動いた、という記録です。

そして、これは1回の結果です。同じ頼み方でも、使うAI・設定・日によって、返ってくるものは変わります。次も同じになるとは書けません。

もう1つ、はっきりしていることがあります。AIには、貼った時点で届いています。 外してくれるかどうかは、届いたあとの話です。だから、いちばん効くのは、人が貼る前に消すことのほうです。指示文の冒頭にも、お客様の実名と連絡先、取引先の名前、実際の金額、鍵になるものは書かないように、という趣旨のお願いを、人に向けて先に置いてあります。

会社として決めておくと、迷いが減る2つ

今回の1回から、社内で決めておくとよさそうだと思ったことが2つあります。

1つ目は、消す対象を種類で書いておくことです。 「気をつける」では、担当者によって手元の判断がばらつきます。実名、連絡先、取引先の名前、実際の金額、サービスにつなぐ鍵になるもの。この種類で書いておくと、貼る前に見る場所がそろいます。

2つ目は、置き換える先を決めておくことです。 消すだけだと、文章として成り立たなくなって、結局元に戻したくなります。仮の名前と仮の数字に置き換える、と決めておくほうが続きます。今回も、貼る用の文章には「仮の情報または種類だけで」という言い方が残りました。

まとめ

  • 線を引くときの手がかりは「その1件を名指しできてしまうか」です。氏名・連絡先・取引先の名前・実際の金額が、これにあたります
  • すでに貼ってしまった方は、設定の「パーソナライズ」からメモリの中身を見るところから始められます
  • 今回は、混ぜた5つとも貼る用の文章から外れ、外したものの一覧にも中身は書かれませんでした。ただし1回の結果で、そう頼んであったから、という前提つきです
  • AIには貼った時点で届きます。人が貼る前に消す決まりを、種類で書いておくのが先です

どの情報を、誰が、どの段階で消すか。御社の業務に合わせて線を引くところから、お手伝いしています。「何がしたいか」がまだ言葉になっていない段階でも大丈夫です。

御社の場合、どこから始めるか

無料相談は30分・オンラインです。

無料で相談する →

今中 樹一
無料相談

記事を読んで相談したくなったら

「自分の会社でもできるかな?」と思ったら、まず話してみてください。

無料相談を申し込む →

無料・押し売りなし|オンライン・全国対応